高齢の方や障害のある方と関わる機会が少ない観光事業者・スタッフのために、いざという時にお役に立つ接遇の基礎をQ&A形式でまとめました。
- ① 困っている人を見かけた際の声掛け
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質問
- 高齢者や障害をお持ちの方(助けを必要としている人)を見かけたときに、どのように対応したら良いかわかりません。どのような対応をするとよいでしょうか。
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アドバイス
- 高齢や障害があるからといって、あらゆる支援が必要なわけではありません。
- 必要とされる支援は、ひとりひとり異なります。勝手な思い込みや判断をせずに、どのような支援が必要かをしっかりとコミュニケーションをとりましょう。
- 接遇の際に困ったときには、2つの『魔法の言葉』を使って、声をかけてみましょう。
- 初めて会ったとき:「なにかお手伝いできることはありますか?」
- 接遇に困ったとき:「普段はどのようにされていますか?」
- ② 肢体不自由の方(車いす使用者)とのコミュニケーション
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質問
- 肢体不自由の方(車いす使用者)とコミュニケーションを図るうえで、まず気を付けることはありますか。
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アドバイス
- 目線を合わせてコミュニケーションをとりましょう。車いすを使用している方は目線が低くなっています。目線を合わせて話を聞き、コミュニケーションをとる姿勢が大切です。
- 次に、ご本人に声をかけ、サポートが必要かを確認しましょう。
同行者や介助者がいる場合でも、ご本人に声をかけ、必要なことを確認しましょう。
- ③ 肢体不自由の方(車いす使用者)への基本的な接遇方法
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質問
- 肢体不自由の方(車いす使用者)を支援する際に、特に気を付けることはありますか。
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アドバイス
- 車いすを後ろから押して支援する際に、車いすからの目線では、スピードが速く感じられます。本人に確認しながら進みましょう。
- 車いすを乗り降りする時は、足が床・地面についていることを確認しましょう。車いすを動かす場合には、足が足台の上にあることを確認しましょう。
- 座席にご案内する際は、積極的に声をかけ、ご本人や同行者と相談の上、可能な限り利用しやすい席をご用意しましょう。車いすのままが良いか、移乗したいかなどをご本人に確認し、車いすのままをご希望される際には、膝の入るテーブル席などに案内しましょう。
- ④ 視覚障害の方とのコミュニケーション
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質問
- 視覚障害の方とコミュニケーションを図るうえで、まず気を付けることはありますか。
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アドバイス
- 正面から「笑顔の声」で、支援が必要か確認しましょう。身分や名前を明かして声をかけると安心感が高まります。
- 情報を言葉や音で伝えましょう。「見える情報を聞こえる情報にする」ことがポイントです。
- 「扉を背中にして、3時の方向に●●があります。」などといった、クロックポジションを用いて説明し、分かりやすい説明を心がけましょう。
- ⑤ 視覚障害の方への基本的な接遇方法
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質問
- 視覚障害の方を支援する際に、特に気を付けることはありますか。
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アドバイス
- 視覚障害の方をガイドする際は、常にガイドする側が半歩前を進み、肘をかしてあげましょう。身長の差によっては、肩をかしても良いでしょう。案内者がつかむのではなく、本人のやりやすい方法でつかんでもらいましょう。
- 動中の段差、方向転換の際は手前で声をかけてあげましょう。「10メートル先を右側2時の方向に曲がります。」など具体的に言葉にして余裕をもって伝えましょう。
- エスカレーターは手すりを持ってもらい、2段にまたがらないよう、声をかけて乗りましょう。
- タクシーに乗る際は車のドアや、屋根に触れてもらい、安全を確認して乗車させましょう。
- ⑥ 聴覚障害の方とのコミュニケーション
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質問
- 聴覚障害の方とコミュニケーションを図るうえで、まず気を付けることはありますか。
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アドバイス
- 相手の視野に入るようにして声をかけましょう。
- 聴覚障害の方は、会話をする時に、口の動きと形だけを見て、ある程度読み取ることができる人もいます。相手の目をきちんと見て話しましょう。
- また、筆談や身振りも合わせながら、きちんと伝わっているか確認しましょう。
- ⑦ 聴覚障害の方への基本的な接遇方法
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質問
- 聴覚障害の方を支援する際に、特に気を付けることはありますか。
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アドバイス
- 筆談器や口話等でコミュニケーションを取りながら案内しましょう。「携帯電話のメール機能」などもよく使われていますので活用しましょう。
- 筆談の際には、話し言葉をそのまま書こうとすると時間がかかります。できるだけ短い文章で書きましょう。
- 耳の不自由な方を呼ぶ時・気づいてもらう時には、机などを指でコツコツ叩きましょう。「振動」で相手に気づいてもらいましょう。
- 食事の際には、メニューを指差しするなど間違いがないように十分に確認をとりましょう。
- ⑧ それ以外に困った際の問い合わせ先
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質問
- 上記以外でも対応ができず、困ったときの相談窓口はありますか。
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アドバイス
- 高齢の方や障害のある方への接遇の際に、わからないこと・困ったことがあったときは、「しょうがい者・こうれい者観光案内所」へ相談しましょう。
- しょうがい者・こうれい者観光案内所は、那覇空港内や国際通り、那覇バスターミナルにある高齢の方や障害のある方の観光をサポートしている窓口です。車いすで入れる施設はどこにあるのかなど、旅行前・旅行中の不安を少しでも解消できるよう沖縄のバリアフリー情報を案内しています。